校長挨拶&教育方針

校長のことば

函館ラ・サールのホームページへようこそ! 私は、2023年4月に校長に就任した齋藤瑞木(さいとうみずき)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

函館ラ・サール学園は、世界に広がるラ・サール・ファミリーの一員として、ラ・サール会と共通した教育理念を掲げ、全人的な教育の実践を目指しています(高校は1960年開校、中学校は1999年開校)。では、ラ・サールの教育理念とは何か。これについてはさまざまに語られますが、聖ラ・サールの時代から300年間変わっていないものとして“Special Care for the Poor”の考え方、これこそがラ・サールの教育の根幹であると私は考えています。青春時代は誰もが困難にぶち当たって焦りや惑いなどの不安を抱えるもの。そんな悩みを深め、苦しんでいる子どもや困っている子どもに最大限寄り添い、支えていくことがラ・サールの教育の使命です。本校は開校から2023年3月までラ・サール会の修道士(ブラザー)が校長を務め、ラ・サールの教育理念を体現してきました。今回、修道士(ブラザー)ではない日本人教員が校長となることで、ラ・サールという学校が大きく変わってしまうのではないかとの懸念を持たれる方ももしかしたらおられるかもしれません。しかし、その心配は無用です。どんなに時代が変わろうとも、またシステムの一部が時代に合わせて変更されようとも、聖ラ・サールを端緒とするラ・サール・スピリットは、われわれの学校の根幹であり、決して変わることはありません。

もう一つ、今年度の入学式でも紹介したラ・サール精神に言及します。それは、2016年7月に来校された当時のラ・サール会の総長ロベルト・シーラー氏の言葉です。全校生徒に対して通訳を交えながら20分ほどの講話をいただいたのですが、私が最も印象に残ったのは、「ラ・サールの教育の根幹は、お互いの間にはびこる壁を壊し、そのうえで立場の違う人々や異なる価値観を持つ者どうしを結びつけることにある」との言でした。この言葉によって、ラ・サールの教育は普遍的な価値を持っていることも私は再認識しました。現在の国内、また世界の情勢は、さまざまな困難を抱えて先行きがきわめて不透明な状況といえるでしょう。そして、それを起因とする分断や敵対の精神性や不寛容な態度の高まりも加速しているように感じます。そんな時代だからこそ、ラ・サールで学び、ラ・サール・スピリットを体得することはきわめて意義深いことだと私は思っています。

函館ラ・サールには、市内近郊はもとより、北海道一円、はたまた日本全国、そして世界各地から多くの仲間が集っています。それこそがダイバーシティを体現する環境といえます。函館ラ・サールというステージでさまざまな体験を通し、仮に異なる価値観を持つ他者であったとしても尊重し合い、協働することができるしなやかな精神性を養ってもらいたいと強く思っています。これこそがラ・サールの教育がめざすところであり、現代社会を生き抜く真のエリートに必要な素養といえましょう。みなさんが、私たちラ・サール・ファミリーの一員になっていただけることを、心から望んでいます。

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